2023年は型紙を彫りなおして、黒地の生地を抜染して、そこにメラメラと色を指します。
好きなようにぼかし染ができる型紙になりました。
その場合、地色はストックがあるものから選びます。
どちらを染める箇所にするか、毎年悩んで決めています。
私は、長らく、着物の図案の仕事をしておりました。
友禅の方とは異なり、量産品で型のある染めを担当しています。振袖も、型友禅、ピースぼかし を多用する問屋さんに提案していました。
1枚図案を書くと、配色変えの案を提案することもありました。
そのあと浴衣の仕事をするようになってくると、
かならず配色変えを2-3種類提案することになり、
その頃はパソコンで仕事をするようになってきましたので、
手書きの図案もパソコンに取り込んで配色変えをフォトショップで行い、プリントアウトを納品するようになりました。
そのころはデジタル染色は商品としては実用化されてはおらず、たいてい型の捺染(オートやハンド)にあわせて、配色変えをおこなっていました。
さて、注染の配色変えです。
そもそも、注染の型紙はほぼ1版になります。型紙の穴の開いたところへ、糊置きする場所が指定されているのです。
型紙に、カッターナイフで穴を開けるのが型彫士になります。
糊置き以外の部分、どういう配色にするか、いつもCGで決めます。
地色がついている生地に施す場合は、色を載せるか、抜染(脱色)してその上から色を染めるのです。ヘアダイと同じ手法ですね。
今年はどういう気分かな・・・想像しながら案をつくります。
社内や身近な人の意見を聞きながら、決めていきます。
でも最終的には「今年の気分」で決定します。
そのままの色が染まるわけではなく、職人が適した染料を使い、似た感じに染めていきます。
綿や綿麻の生地で表現されると、モニターで配色したのとはまた違った心持ちになります。
どうぞ今年の気分で、お選びいただけたらと思います。
ルミロックデザイナー 芝崎るみ