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注染工房探訪記 2022ルミロックユカタコレクション

注染工房探訪記

2022ルミロック
ユカタコレクション

きました!!

ルミロックは、注染の浴衣から始まっています。

工場とのお付き合いも、長いですね!いろいろなタイプの工場がいらっしゃいますが、こちらは割と新しい工場になります。
産地に行くだけでもどきどきしますね!

このレポートは2022年10月に、奈良の注染工房を訪問した際のところと、ルミロック浴衣が実際に染まっていく過程の写真をお届けいたします。

ハルキ、工場に突入です

注染工房の社長の大森健一さんです。
印象はトラック野郎ですが(失礼)、丁寧な仕事していただき、ありがたいです。
よく染まる様に色々教えていただいております。

注染の染め方。
まずは型紙を型枠に貼って、糊置きです。
手工業、手染めの中ではちょっと量産品です。
型紙の穴からノリをしごき落とします。
職人が立つスペースは幅80センチくらいで動きません。
生地を折りたたみながら糊置きします。

黒い浴衣反物生地を下に貼ります。
これは「抜染」なので黒いです。
抜かないところを糊置きします。

実際の職人の糊つけをみて興奮するハルキ。

柔らかめのセメントみたいな、硬めのクレープ生地みたいな糊を平たい木製のヘラでしごきます。

テンポよく、行って帰ってが職人の腕です。
昔の謄写版印刷みたいに、型紙をペコっともちあげて生地を折り返して戻します。
そのとき「ミルフィーユ」みたいに、
生地+糊+生地+糊・・・と重ねていきます。
90センチくらいの長さに折り畳まれた生地は、
染め場に行き、ジョウロに染料を入れ、注染されていきます。

この図案は、高山寺の屏風絵の名品、国宝「華厳宗祖師絵伝」を元に考え作りました。 美女善妙が海に飛び込み、龍となって僧侶義湘を助ける話です。

染色後、洗い場へといきます。
これは最後の洗い風景ですね。
足下の水場は半自動で、
機械に通してかちゃかちゃさせながら生地が水の中を潜っていきます。

目が回るほど高い干場。
反物の半分ですから、7メートルはありますね!
この台の上を鳶職の大工さんみたいに歩いて反物を干します。
縦に下げて、緩やかに乾燥させます。
雨が続く時は、乾燥機も使って乾かします。

ルミロックの新作ゆかたが干場に干されて、風にたなびいています。

干場の風景。 時代劇みたいですね。

ハルキも興奮気味に写真撮ってます。

「近松カラス」

近松門左衛門の心中二題をモチーフに制作しました。
以前は白地に黒でしたが、今年は黒地に赤のグラデーションでお願いしています。
浄瑠璃台本が白く光った様に染めてもらいました。

「近松カラス」
2022年新柄「四谷怪談」

2022年新柄「四谷怪談」

お岩さんが揺れてます・・・伊右衛門が浴衣になりました。
この図案、4年間くらい考えてました。
やっとフィニッシュです。
歌舞伎座で玉三郎×仁左衛門四谷怪談を見て「もう作るしかない」と決めたものです。
生地がこうなってると清々しい・・

2022年新柄「ベラドンナ」
2022年新柄「ベラドンナ」

2022年新柄「ベラドンナ」

ルミロックでは珍しい、エスニックっていうかラスタ感ある更紗です。
産地のボーダー生地をみて考えました。
明るいエネルギーの浴衣作りたい・・
左右の柄の密度を変えてあり、着映えする浴衣になると思います。
仕上がりが楽しみ。

生地が、たゆたゆしています。 生まれる瞬間・・

このあと、幅出し・検品・文庫つけなど行って皆様のお手元に届きます。 ありがとうございました。

取材協力ありがとうございました。

芝崎るみ:ルミロックデザイナー
2022年3月15日