元禄時代に起きたとされる事件を基に、歌舞伎や落語の怪談で有名な四谷怪談です。 部屋の中では美しいお岩さんが髪を解き、外では赤穂浪士が慌ただしく、吉良邸に討ち入ろうとしています。
浮世絵師も多く取り組んでいることもあり、いつか浴衣にしたいと思っておりましたが、 いくつか構図を書くものの、なかなか形にするのは難しく、数年寝かせていた図案です。 昨年(2021年)、片岡仁左衛門ー坂東玉三郎の歌舞伎を拝見したのをきっかけに、思い切った構図にして出来上がりました。
細い縦絣の生地の上に差し分け技法で染められています。
男女共にお召しになれます。
お太鼓姿に粋な下駄をハダシでお召しになるのもよろしいかと思います。
鎌倉時代(13世紀)に作成された「華厳宗祖師絵伝」。
京都の高山寺の屏風絵の、その見事な作風にエネルギーを感じ、今回注染のゆかたを作成いたしました。
新羅(しらぎ)国(朝鮮)華厳宗の祖師義湘(ぎしょう)が美女善妙に愛され、 義湘が乗った船がすでに港を出たのを知って善妙は海中に身を投じ、竜となって船を守り新羅国に送り届けたという話です。
鎌倉時代に盛んであった祖師・高僧伝の絵巻ですが、異国の高僧を題材とした珍しい作品です。
エネルギッシュで流暢な波が印象的です。
ストイックな色でまとめましたが、美女善妙はこのあと石に化けたりと、とてもエネルギーある女性です。
身を挺して義湘を守るという、女性キャラクターは珍しいのではないでしょうか。
660年頃という大変昔の事柄ながら、ダイナミックでスカッとするストーリー、元気に着ていただけたらと思います。
ルミロックの薬草シリーズです。
世界の薬草を取り入れて、更紗にしました。
犬がちょろっと歩いているのは・・もしかして人間の代わりに、薬草を引っこ抜くため?
横段の生地に、黒を基調に力強く染めてあります。
反物の左右で柄の密度を変えてあります。
おくみに太い更紗を配置すると、背中はこまかい更紗がムカデのようにウネウネと入ります。
元気に、パンチのある夏の装いにいかがでしょうか。
特異な形なそのヤギは、アレッポ、ハレプ、バラディ、ダマスカス、シャミ、チャミとも呼ばれるヤギの品種です。
シリアなどの中東諸国で生まれ、イギリス人によってキプロスに輸入され、繁殖されたそうで、原産地はシリアなどの中東です。
食用のヤギですが山羊乳も供給されています。
成長すると長い耳は切られてしまうようです。
日本の動物園には、まだいない動物で、ぜひ実物を見てみたいと思っています。 ワイルドな形相をシリアの古代遺跡と組合わせて浴衣図案にしました。
大人の着こなしで、さりげなくまとめました。 女性がお召しになってもかっこいいと思います。